遺恨なしの財産分与には生前の“相続人全員招集”が鍵
今年1月1日に相続税法が改正され、6000万円以上だった相続税の課税対象が3600万円まで引き下げられた。
相続問題は、もはや大金持ちだけの話ではなくなったわけだ。また、どんなに仲のよい家族でも、遺産が不動産ばかりで分割しにくかったり、相続人の中の1人だけが介護を担っていた場合など、紛争に発展する要因は意外に多い。これを回避するには、生きている間に相続問題の芽を摘んでおくことだ。
五十嵐明彦監修「相続で家族がもめないための『生前会議』の開き方」(KADOKAWA 1300円+税)では、自分亡きあと家族間に遺恨を生じさせないための、生前の話し合いの進め方を伝授している。
生前会議の前にやっておかなければならないのが、自分の財産をすべて把握すること。現金や不動産、ゴルフ会員権などの他、絵画や骨董品があれば専門家に鑑定しておいてもらおう。
また、相続人を正確に把握するための戸籍確認、財産目録の作成、会議後の遺言書作りのための実印登録なども必要だ。