書物のアリ地獄に落ちよう編
「THE BOOKSgreen」ミシマ社編
全国の書店員365人が中高生に薦める〈この1冊〉。
新宮の“bookcafe kuju”の北村さんが挙げるのは、アゴタ・クリストフの「文盲」。文字が読めないという〈文化的砂漠〉で生きる苦しみを知ることができる。〈自分が何のために生きているのか〉という根源的な問いを突きつけられるのが、丸善仙台アエル店の佐藤さんが薦めるカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」。甲府の春光堂書店の宮川さんは鹿島茂の「デパートを発明した夫婦」。デパートの発明により、人々に欲望のスイッチが入ったという。資本主義の実態が見えてくる。(ミシマ社 1500円+税)