書物のアリ地獄に落ちよう編
「口笛を吹きながら本を売る――柴田信、最終授業」石橋毅史著
本の街・神保町で85歳の今も「岩波ブックセンター」の代表として、最前線に立つ書店業界の重鎮・柴田信氏への聞き書き集。
氏は、本の販売数や在庫数をコンピューター管理するPOSシステムが導入される20年も前に、仲間らと本に挟まれているスリップを使ったシステムを構築し、注目を集めた。当時の合言葉は「口笛を吹きながら本を売ろう」。それを実現、支えたのは、本を売るための強い仕組みだという。当時、勤務していた芳林堂書店への入社の経緯や、創業者の齋藤芳一郎氏から学んだことをはじめ、半世紀に及ぶ書店人生を振り返りながら、本を売るとはどういうことかを語り尽くす。
(晶文社 1600円+税)