「飛行機事故はなぜなくならないのか」青木謙知著
旅客機事故による死者数は2013年までの5年間で年平均約500人。制度や技術が更新され、重大事故の発生は年々減少しているが、ゼロになることはない。
旅客機の事故では「魔の11分間」という言葉がよく用いられる。着陸前の8分間と離陸して上昇に移った後の3分間に事故が多発していることを指す言葉だ。2000年10月、台北国際空港(当時)で起きたシンガポール航空006便の離陸失敗事故を検証し、魔の11分間になぜ事故が多発するのかを考察。その他、記憶にも新しい1年前のマレーシア航空370便の行方不明事件など55の事例を取り上げ、飛行機事故の原因と、それを教訓にした飛行機の進化の過程を解説する。(講談社 900円+税)