「リヴィジョンA」未須本有生著
技術者の由佳が勤務する航空機メーカー四星工業が開発した複座型の自衛隊機「TF-1」は、当初、練習機として運用されていたが、対領空侵犯用のアラート機として採用されることが決まった。日々のルーティンワークに飽き足らず、開発の仕事に携わりたい由佳は、過去の資料で「TF-1」の試作機製造中に、将来の需要を見据え、単座型の開発が極秘に進められていたことを知る。恋人でかつて「TF-1」の開発に関わった倉崎が調べると、単座型の開発は、自衛隊に門前払いされ頓挫したという。由佳は、単座型開発の再挑戦を上司に提案。社内でプロジェクトが動き出す。
元技術者が戦闘機開発の舞台裏を描く業界小説。
(文藝春秋 1500円+税)