安保法案強行採決で考える「日本はなぜ戦争に突き進んだのか」
「海の柩」吉村昭著 「総員起シ」に収録
戦争を体験した人々の傷が描かれている珠玉の短編がこちら。
太平洋戦争末期、北海道の漁村に多数の兵士の遺体が流れ着く。輸送船が米潜水艦の雷撃を受け沈没したのだ。しかし、将校は村民たちに口止めを課す。
「戦中の実話をもとに、戦後も秘密を持ち続けた村民の苦しみを描いた短編です。戦闘には直接携わらずとも、戦争になれば別の形で苦しみに遭遇するということを思い起こさせます」(文藝春秋 600円+税)