一度見たら忘れなれない“面構え”
「日本の今の問題は、すでに{世界史}が解決している。」宇山卓栄著
台所でおなじみアルミ箔にも「消費期限」があり鮮度が肝心とのこと。製造から1年で使い切るべし。また、光沢面が表、艶消し面が裏だと思うとさにあらず、機能的な差はない。製造過程で、2枚のアルミの板を重ねローラーの間に通す「圧延」作業の際、ローラーに触れる面が光沢面、板同士が触れる面が艶消しになる。ちなみに金属を薄く延ばして作る箔の起源は「金箔」であり、アルミ箔が普及する以前は錫箔が貴重品として使われた。「金属箔」にも歴史あり、である。
さて、本書の帯に目を落とせば「道具&武器としての教養書」「改めて言おう。世界史こそが、現代を生き抜くための、最強の知恵である」と、豪気な惹句が並ぶ。そして本書において特徴的なのは、カバー表1全面に施された銀の箔押しだ。
四辺に5ミリほどの紙地を残し表1全体を銀箔が覆っていて、一度見たら忘れられない強烈な面構え。タイトルや著者名、英文コピーは白抜き、紙地が見える。背のタイトルなどもすべて箔押し。大胆不敵。とはいえ決して「大味」ではなくむしろ繊細、理知的で涼やかな風情さえ漂わせているから驚きだ。銀箔の色と質感のなせる業。表4のバーコードの周りと英文タイトルのみスミ刷り。印刷より箔の面積が大きい、面白い構成だ。