「成長戦略」が日本を破壊させると一刀両断

公開日: 更新日:

 他の4つも同じように論破するのだが、私が一番興味をひかれたのは農業だ。著者によると、日本の農業は欧州はおろか、米国と比べても保護の度合いが圧倒的に小さい。そして、現在の日本の農業は、きわめて高い生産性を発揮しているというのだ。にわかには信じがたい主張だが、実際に本書に掲げられたデータを見ると納得せざるを得ない。

 こうした分析を積み重ねた結果として、著者が提言しているのが、政府主導による内需拡大政策だ。「なんだ、手垢のついた公共投資拡大政策か」と思われる方もいるかもしれない。しかし、著者の主張は、世界で吹き荒れた新自由主義のもたらした惨禍と日本の財政健全化を見据えたうえでの提言で、工事の利権を欲する人々が訴える公共事業拡大とはまったく異なる。

 本書は、いま世界と日本で何が起きていて、どこに向かおうとしているのかが、一番コンパクトに分かる名著だ。

★★★(選者・森永卓郎)

【連載】週末オススメ本ミシュラン

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  3. 3

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  4. 4

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  5. 5

    フジ反町理氏ハラスメントが永田町に飛び火!取締役退任も政治家の事務所回るツラの皮と魂胆

  1. 6

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  2. 7

    やなせたかしさん遺産を巡るナゾと驚きの金銭感覚…今田美桜主演のNHK朝ドラ「あんぱん」で注目

  3. 8

    女優・佐久間良子さんは86歳でも「病気ひとつないわ」 気晴らしはママ友5人と月1回の麻雀

  4. 9

    カンニング竹山がフジテレビ関与の疑惑を否定も…落語家・立川雲水が「後輩が女を20人集めて…」と暴露

  5. 10

    “下半身醜聞”川﨑春花の「復帰戦」にスポンサーはノーサンキュー? 開幕からナゾの4大会連続欠場