「戦場観光~シリアで最も有名な日本人」藤本敏文著
内戦が続くシリアの最前線を何度も訪ねてきた著者による戦場旅行記。
トラック運転手の著者は、離婚後、子どもと会えない寂しさを紛らわせようと、海外旅行へ出かけ、カンボジアの子どもたちへの支援などを重ねてきた。やがて「アラブの春」を迎えた中東に目が向き、デモを見てみたいと2011年12月、シリアへ。大規模デモを建物から見学しているときに政府軍に銃撃された氏は、反政府デモのステージに招かれ、彼らと一体感を味わう。その興奮が忘れられず、以後、度々シリアに入国。知り合った人々に導かれ、砲弾が飛び交う戦場に足を運んできた。政府軍支持派から殺害予告まで出ているという氏だが、あくまでも旅行者の視点で戦場の現実をリポート。(幻冬舎 1500円+税)