「救済のゲーム」河合莞爾著
全米プロゴルフ選手権最終日最終組。首位に立つニックは、18番ホールのティーショットを右の林に打ち込んでしまう。ボールは見つからず、キャディーのライアンは、「神の木」と呼ばれ恐れられている巨木の上に載っているかもしれないと足をかける。その昔、神の木に登った騎兵隊の隊長が雷に打たれ落下、脇に立つ木柱に串刺しになったと伝説が残る木だ。ボールは違う場所で見つかり、ニックは歴史的な優勝を果たす。翌年、同じコースで全米オープンが開催。練習ラウンドスタート前の火曜日の早朝、神の木のそばで、串刺しになった黒焦げのライアンの遺体が見つかる。
ゴルファー心理を巧みに織り込みながら描く長編ミステリー。(新潮社 1800円+税)