「戦後史入門」成田龍一著
歴史とは過去のたくさんの出来事から、ある出来事を抜き出し、別の出来事と結びつけて説明することだと著者は言う。本書は、身近な戦後史を題材に「歴史とは何か」という深遠なテーマについて考察した入門書。
戦後の始まりは1945年8月15日だが、では戦争が始まったのはいつか。さらに戦争を語るとき、「大東亜戦争」や「太平洋戦争」など、時代によって習った呼び名も異なるのはなぜか。そして「敗戦」なのか「終戦」なのか。視点や立場が変われば、歴史の中の出来事の呼び方が変わってくることを解説。その後の占領下での非軍事化や民主化に始まり、日本がどのように復興してきたかをたどる。日米関係や沖縄の視点から見た戦後など「今」を考えるための最適の参考書。
(河出書房新社 680円+税)