「明治・金色キタン」畠中恵著

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 明治21年の春、原田巡査と滝巡査は内務省の神職の護衛を命じられて甫峠寺跡に向かった。そこは明治の廃仏毀釈で廃寺となったのだが、たたりがあるという噂が立っていた。そこにこの寺にゆかりの赤手が探しものにやってきた。古い仏塔の中を見たいというのだが、内務省の神職はその仏塔を壊せと命じる。赤手が突然走りだして仏塔の中に飛び込むと、その直後、突風が吹き、ビキッという音がして仏塔が倒れ、赤手は行方不明に。これはかつて甫峠寺にあったのに薪にされてしまったという5体の仏像のたたりなのか……。(「赤手と菜の花」)

 文明開化の世になっても跳梁する妖怪たちの物語6編。(朝日新聞出版 1400円+税)



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