「明治・金色キタン」畠中恵著

公開日: 更新日:

 明治21年の春、原田巡査と滝巡査は内務省の神職の護衛を命じられて甫峠寺跡に向かった。そこは明治の廃仏毀釈で廃寺となったのだが、たたりがあるという噂が立っていた。そこにこの寺にゆかりの赤手が探しものにやってきた。古い仏塔の中を見たいというのだが、内務省の神職はその仏塔を壊せと命じる。赤手が突然走りだして仏塔の中に飛び込むと、その直後、突風が吹き、ビキッという音がして仏塔が倒れ、赤手は行方不明に。これはかつて甫峠寺にあったのに薪にされてしまったという5体の仏像のたたりなのか……。(「赤手と菜の花」)

 文明開化の世になっても跳梁する妖怪たちの物語6編。(朝日新聞出版 1400円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…