「エコノミストの昼ごはん」タイラー・コーエン著 浜野志保訳、田中秀臣監訳・解説

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 食通として有名な世界的な経済学者である著者が、日々の食に関するこだわりを経済学的な知見を加えて解説した一冊。「スローフードはファストフードに勝る」「巨大アグリビジネスは悪」「イノベーションの源泉として消費者は信頼できず、シェフ、フードライター、文化人などの意見が優れている」などの食にまつわる定説を、経済学的視点から覆していく。

 米国の食文化がダメになった理由についても、食品の供給網が急速かつ徹底的に商業化されたせいだといわれている通説に対して、真の戦犯は政治家や立法者だと指摘。禁酒法、第2次世界大戦、移民政策と米国の食生活の関係性についてひもといていく。

 また、世界中の食を味見してきた経験を踏まえて、具体的においしい食にありつくための手法も指南。ベトナム料理、タイ料理、日本料理、インド料理、パキスタン料理、中華料理、メキシコ料理、家庭料理等々、食を巡る著者の知見がおしげなく披露されている。(作品社 2200円+税)



【連載】週末に読みたいこの1冊

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