「その『1錠』が脳をダメにする」宇多川久美子著
元薬剤師の著者が、薬漬けの日本人に警鐘を鳴らす。
血圧が高いと脳卒中のリスクが高まるが、実は降圧剤が脳卒中の原因をつくることもある。脳の血管内に血栓ができることは珍しい現象ではなく、通常であれば血管が圧力を高めて血栓を押し流してくれる。しかし、降圧剤を服用していると血圧は下がるが、血管の圧力が下がるため血栓を取り除けなくなり、脳の血管をふさぎやすくなる。
腰痛のときなどに気軽に使う湿布薬にもリスクがある。炎症を抑える成分のインドメタシンは、皮膚から吸収されて体内に蓄積することがある。すると、解熱鎮痛剤の飲み過ぎと同様の副作用をもたらし、胃腸に潰瘍ができることすらあるという。薬に頼り過ぎるのも考えものなのだ。(SBクリエイティブ 800円+税)