亡くなった永六輔氏が、戦後の放送文化を共につくりあげてきた盟友たちとの交流をつづった人名録。
国民的映画スター、渥美清との出会いは、2人がまだ芸能界に足を踏み入れる前の少年時代だった。戦後、小遣い稼ぎのために永ががれきの中から集めた鉄くずなどを買ってくれた元締が、5歳年上の渥美だったという。補導されたときの警官の一言がきっかけという渥美の芸能界入りのエピソードや、永の家に入り浸り、新婚旅行にもついてきたという渥美との若き日の思い出をはじめ、ともに中年ご三家を名乗って一世を風靡した野坂昭如や小沢昭一、美空ひばりら、「昭和」を生き抜いた有名人たちの気骨を伝える。(集英社 740円+税)