不祥事が相次ぐ読売巨人軍の闇に迫るスポーツノンフィクション。
不祥事の連鎖を招いている根源は何か。著者は、1978年の江川事件にあると指摘する。この事件以来、巨人軍は選手や監督の不祥事に直面すると、法律解釈を徹底的に駆使した理論武装によってすべてに対処。ダメージを最小限にとどめてきたという。本書は、選手を野球賭博へと導いたといわれる2人の人物への直接取材をはじめ、清原和博元選手の巨人時代のクスリ人脈や黒い人脈、そして原辰徳前監督の過去の女性問題をめぐる恐喝事件、さらに現役選手を巡るスキャンダルまで。
各事件の真相を暴きながら、自壊を始めた伝統球団の内幕に迫る。(文藝春秋 780円+税)