「パイルドライバー」長崎尚志氏

公開日: 更新日:

「読む人によって、サイコロジカルサスペンスだとか、警察のバディーもの、群像小説、謀略小説など違った感想をいただきます。取り扱う事件が複雑で奇想天外な分、警察への取材は徹底して行い、刑事同士の呼び方から部署同士の関係性までリアリティーを追究しました。恐らく、警察という組織について今、日本で一番正確に書かれている小説だと思いますよ」

 長年漫画原作に携わってきた著者だが、小説の執筆は全くアプローチが異なる作業だという。

「漫画原作はシナリオのようなもので、絵にしたときにどうなるかを考えて書く。一方の小説はそれが必要ない分、内面描写をとことん追究できます。今回の小説を絵にしたら、ものすごくクドイ内面シーンを描かなければならないので、漫画にはならないでしょうね」

 ダイナミックに猟奇事件を追う中で、主人公らはもちろん、その他の警察官や事件関係者の葛藤や焦りも緻密に描かれていく。

 一方、次から次へと浮かび上がる謎の連続で、ページをめくる手を止めさせてくれない。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”