「若者はなぜモノを買わないのか」堀好伸氏

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 近頃の若者は消費に消極的な印象が強く、「若者の○○離れ」というフレーズはもはや定番と化している。しかし、現代の若者たちのマーケティング調査を行っている著者は、「企業や大人が若者から離れているだけ」と異論を唱える。

「“若者が消費しない”というイメージは、大人が考える“ある程度の年齢になれば持っているはずのモノ”を買っていないことで生まれています。つまり、大人の期待通りのモノを持たない、買わないことを“○○離れ”と決めつけているだけ。これは、若者と大人との間にあるコミュニケーションギャップが原因だと思われます」

 デフレが続く日本では、品質の向上や生産性の効率化など企業のイノベーションが起き、少しのお金でも高品質のモノが簡単に買えるようになった。現代の若者には、安くていいモノが当たり前。モノが行き渡っているために買い物自体がハレではなくなり、消費が豊かさの指標だった世代とは感覚自体が違っている。

「若い世代には、ハイブランドのアイテムも単なる工業製品にしか見えていない。ゆえに“買うなら安いに越したことはなく、あえて高いモノを買う必要はない”というのが共通認識になっているわけです」

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