無機質な鉱物をキャラクター化したおもしろ入門書
「地球のスゴさをとことん味わえる!鉱物キャラクター図鑑」 松原聰 監修 いとうみつる イラスト
「鉱物」の代表格を親しみやすくキャラクター化して紹介する、おもしろ入門書。
世の男性には、その魅力がいまひとつ分からないが、女性たちが大好きな宝石も鉱物の一種。
地球上に鉱物は5100種以上もあるそうだが、宝石になれるのはたった100種ほどだそうだ。
ということで、冒頭を飾るのは、宝石の中の宝石をキャラクター化した、その名も「ダイヤモンド王子」だ。
ダイヤモンドのあの硬さは、温度と圧力が高い地下150~250キロのマグマの中で生まれ、火山の爆発によって地表近くに押し上げられることによってつくられるという。硬度は最も強いが、高温には弱く、高温で焼かれると二酸化炭素になって消えてしまうので要注意だとか。
同じ鉱物からできるが、不純物であるクロムという元素が1%ほど含まれて深い赤色になったものが「ルビー」で、それ以外が「サファイア」と呼ばれる「コランダム姉妹」や、7000年も前から装飾品に使われ宝石として一番の歴史を持つ「トルコ石くん」など、まずは「飾りに使われる鉱物」を紹介。
一方、ダイヤモンド王子と同じ炭素だけでできているけど、原子の結びつき方が違うだけで、見た目も性質も正反対の「石墨くん」(粘土と合わせて鉛筆の芯などに利用される)や、結晶は水色なのに、そこから取り出された「ストロンチウム」は真っ赤な炎を出すので花火の材料に使われる「天青石ちゃん」、鉱物の中で最も軟らかくてベビーパウダーなどに使われる「滑石ぼうや」など、身近な場所で活躍している47の鉱物が登場。
無機質で、他人行儀だった鉱物の世界が、キャラクター化効果で、ぐっと身近に感じられるおもしろ本。(日本図書センター 1500円+税)