「江戸の長者番付 殿様から商人、歌舞伎役者に庶民まで」菅野俊輔著
江戸っ子たちの懐具合をのぞき見る、歴史読み物。
まず各分野から選び出した高額所得者の代表10人をランキング。頂点に立つのは言わずもがなの将軍家だが、8代将軍吉宗の享保15(1730)年の年収は、約80万両。領地からの年貢に加え、長崎貿易の運上金や御用金からなり、現在のお金に換算すると1294億円にもなるという。ダントツかと思いきや、加賀百万石といわれる前田家も13代目当主の斉泰は、1134億円と負けていない。日本一の豪商・三井越後屋の三井八郎右衛門が18億円足らず、吉原の人気花魁は約1億3000万円と当時のセレブたちがずらり。
その他、武士や職人、町人などの収支を明らかにしながら、その暮らしぶりを紹介する。(青春出版社 890円+税)