「聖書と歎異抄」五木寛之、本田哲郎著

公開日: 更新日:

「歎異抄」の「善人ですら救われるのだ。まして悪人が救われぬわけはない」という親鸞の言葉と、「聖書」の「私が来たのは、真っ当な人のためではなく、罪びとのために来た」というイエスの言葉に共通の考えを見いだせる、とはよく指摘されるところ。本書は、イエスと親鸞という2人の宗教改革者の思想と、彼らが後世にもたらした影響を語り合った対話集。

 先ごろ、長編小説「親鸞」を完結した五木寛之に対するのは、バチカンで聖書を学び、司祭として大阪市西成区の釜ケ崎で日雇い労働者たちの生活支援活動や聖書の勉強会などを行っている本田哲郎。

 対話は本田の独自の読みによる「聖書」の翻訳の話から始まり、「貧しき者」の意味を巡って議論が交わされる。その後話題は、キリシタンと隠れ念仏、宮沢賢治とドストエフスキー、聖フランシスコと親鸞の同時代性から現代のナショナリズム問題へと及ぶ。

 小著ながら、2つの書の本質を見事にすくい取っている。巻末の五木の私訳「歎異抄」も必読。(東京書籍 1300円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  3. 3

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  4. 4

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  5. 5

    フジ反町理氏ハラスメントが永田町に飛び火!取締役退任も政治家の事務所回るツラの皮と魂胆

  1. 6

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  2. 7

    やなせたかしさん遺産を巡るナゾと驚きの金銭感覚…今田美桜主演のNHK朝ドラ「あんぱん」で注目

  3. 8

    女優・佐久間良子さんは86歳でも「病気ひとつないわ」 気晴らしはママ友5人と月1回の麻雀

  4. 9

    カンニング竹山がフジテレビ関与の疑惑を否定も…落語家・立川雲水が「後輩が女を20人集めて…」と暴露

  5. 10

    “下半身醜聞”川﨑春花の「復帰戦」にスポンサーはノーサンキュー? 開幕からナゾの4大会連続欠場