冷えた飲み物で免疫力が低下する!?
「冷たい飲み物はとるな。」胡伊拉著
3000年の歴史を持つ中国医学の常識のひとつが、「体を冷やさない」ということ。体の冷えは万病のもとであると中国人の誰もが知っており、そのため基本的に冷たい飲み物をとらず、真夏でもビールを常温で飲むほどだ。
一方、日本では真冬でも冷たいお茶が売っており、飲食店に行けば当たり前のように氷の入った水が提供される。日本人は、無自覚のうちに体を冷やすリスクにさらされていると、中国人医師である著者は警鐘を鳴らしている。
冷たいものが体の中に入ると、口から胃までの粘膜の血管が瞬時に収縮し、一時的に血流が途切れる。これを繰り返していると慢性的な血行不良に陥り、胃とつながる小腸にまで冷えが及ぶ。小腸は体の中でも最大の免疫器官であるため、全身の免疫力が低下する恐れもあるのだ。
自分は暑がりで汗っかきだし、冷えとは無関係という人もいるだろう。しかし、暑がりの人ほど実は低体温に陥っている可能性がある。人間の体温は36度台が正常であるが、これが35度以下に下がっている人の方が、同じ気温でも暑いと感じ、発汗により熱を発散して体の中心温度を下げようとする。こんなときに冷たい飲み物をとれば、内臓が冷えて、さらに悪循環に陥る。
風邪や肺炎、膀胱炎などの感染症にかかりやすいという人は、体の冷えから免疫力が低下している恐れもある。今日からでも冷たい飲み物をやめ、本書が紹介する食や生活習慣の改善で体を温める工夫をお勧めしたい。
(幻冬舎 1100円+税)