「長生きしたければ座りすぎをやめなさい」岡浩一朗著
日本人は、世界一“座りっぱなし”の国民だ。シドニー大学が世界20カ国の成人を対象に行った「平日座位時間」の調査によると、平均値は1日300分だったのに対し、日本人は420分と最長であることが分かったという。そして、この座りっぱなしの生活習慣が、糖尿病や心筋梗塞、そしてがんのリスクを高めているというのだ。
座位は楽なようだが、たった5分経過しただけで体内では血行が悪くなり、30分を過ぎれば血流速度は立っているときと比較して70%も低下する。血流は命の鍵を握っているといっても過言ではない。長時間の座位が続くと血中には余分な糖や脂肪が飽和し、いわゆる“血液ドロドロ”の状態になり、血管に負担をかけるとともに各種疾患の引き金にもなるのだ。
座りすぎのリスクを減らすには、30分に1回、最低でも1時間に1回は立ち上がればいい。そんな簡単なことでと思うかもしれないが、これだけでふくらはぎや太ももの筋の収縮が起こり、全身の血流が蘇る。理想は、立ち上がった後で少し動くことだ。とくに、“第2の心臓”と呼ばれるふくらはぎを重点的に動かしてやるといい。2秒でかかとを上げ、2秒で下げる「かかと上げ運動」を5回程度行うだけでも、脚の筋肉のポンプが働いて血流促進効果が期待できる。
スマホのタイマーなどを活用し、定期的に立つ習慣を付けよう。
(ダイヤモンド社 1300円+税)