頭と心を癒してくれる昆虫ワールド

公開日: 更新日:

「ゆるふわ昆虫図鑑」じゅえき太郎著

 書名に昆虫図鑑とあるが、登場するのはカブトムシやアリ、ハチ、バッタなど、ありふれた虫ばかり。それどころか、それぞれの虫についての解説も何も載っていない。

 実は本書は、擬人化された虫たちを主人公に、彼らの日常を面白おかしく描いたコミックなのだ。

 例えば、口数の少ない努力家のオオクワガタは、ライバルのカブトムシに「この夏はぜってー、負けねーぞ!!」と熱い思いを胸に秘めて、日々トレーニングに励む。そんなある日、サナギの状態のカブトムシと遭遇。オオクワガタに気づいたカブトムシは焦りを募らせるが、オオクワガタは「サナギに手をだすほど、オレはヤボじゃない」と見て見ぬふりをして通り過ぎる――といった具合に著者独自の昆虫ワールドを、いわゆるヘタウマ系コミックで描く。

「情報操作」と題がつけられた4コマは、コオロギが池のオタマジャクシたちを集め、「コオロギには毒があります。絶対食べてはいけません」と、彼らがカエルに成長した時に備え、洗脳しようとする姿が描かれる。

 恋人の父親に「娘さんをください」と結婚の承諾を求めるオンブバッタに、トウサンバッタが一言「うん。そーいうのは、娘からおりて言いなさい」。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  2. 2

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  5. 5

    【埼玉・八潮市道路陥没「2次被害」現場ルポ】発生2週間、水は濁り死んだ魚が…下水放流地で見た河川の異変

  1. 6

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  2. 7

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  3. 8

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  4. 9

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  5. 10

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”