「九紋龍 羽州ぼろ鳶組③」今村翔吾著
火付盗賊改方の元長官で、今は京都西町奉行の長谷川平蔵は、盗賊の千羽一家を管轄外の大坂まで追うが、逃がしてしまう。
千羽一家の手口は、夜更けに町に火を放ち、騒ぎの中、商家を襲って皆殺しにするという残忍なものだった。平蔵は、江戸を守る新庄藩火消の組頭・源吾がこの場にいてくれればと悔やむ。
同じころ、源吾らの後ろ盾になっていた新庄藩の江戸家老が倒れ、当主の従兄弟・正親が藩政を仕切ることになった。江戸に到着した正親は、火消鳶(とび)の減給と火消道具への出費を差し止めると言いだす。そんな中、源吾らは現場で九紋龍の異名を持つ辰一が率いる町火消の「に組」と対峙する。
デビュー作にして人気シリーズとなった「羽州ぼろ鳶組」最新刊。(祥伝社 700円+税)