「日本史のミカタ」井上章一、本郷和人著

公開日: 更新日:

 東西の歴史学者が新たな視点で日本の歴史を読み解く対談集。

 日本人はいつから、日本という国を意識するようになったのか、というテーマでは、井上氏は日本という国のまとまりが少なくとも元寇(げんこう=1274年の文永の役、1281年の弘安の役)のころには出来ていたと説く。

 一方の本郷氏は元寇で戦った九州の武士には、国を守るという意識はなく、俺の土地を守るという意識で戦ったのだと反論。鎌倉を動かなかった軍事司令官だった執権・北条時宗にも日本を守るという意識がなかったと。

 さらに当時の日本のかたちを論じた、天皇を中心とした権門体制論と鎌倉幕府をもうひとつの国と見る東国国家論について意見を戦わすほか、天皇家や明治維新など豊富なテーマを縦横無尽に語りつくす。

(祥伝社 840円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  3. 3

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  4. 4

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  5. 5

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  1. 6

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  2. 7

    レベル、人気の低下著しい国内男子ツアーの情けなさ…注目の前澤杯で女子プロの引き立て役に

  3. 8

    芳根京子《昭和新婚ラブコメ》はトップクラスの高評価!「話題性」「考察」なしの“スローなドラマ”が人気の背景

  4. 9

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 10

    大阪万博会場は緊急避難時にパニック必至! 致命的デザイン欠陥で露呈した危機管理の脆弱さ