「承久の乱 日本史のターニングポイント」本郷和人著
承久3(1221)年、後鳥羽上皇は鎌倉幕府の実権を握っていた北条義時追討の兵を挙げるが、上皇側の期待に反し東国武士は北条政子の呼びかけに応じ、戦いは幕府の圧倒的な勝利に終わる。 著者は、この承久の乱こそが日本史最大の転回点のひとつだという。ヤマト王朝以来、朝廷を中心に展開してきた日本の政治は、この乱以後、明治維新に至るまで約650年間も武士がつかさどることになったからだ。しかし、関ケ原などと比べ知名度が低く、その内実は広く知られていない。
戦いはわずか1カ月だったが、そこに至るまでに幕府と朝廷の双方で激しく権力闘争が繰り広げられ、経済と政治のパワーゲームが行われていたという。その歴史のドラマをたどる日本史テキスト。
(文藝春秋 820円+税)