雨の日に高級靴を履く人は「段取り能力」が低い!?
「日本のビジネスマンは見た目と役職が一致しない」。これは、ニューヨークのビジネスマンがよく言う言葉だという。素晴らしいキャリアを持っているのに、その立場にふさわしい装いや振る舞いができていないという意味だ。
安積陽子著「ClassAct」(PHP研究所 1750円+税)は、ビジネスマンのセルフブランディングのための教本。ニューヨークでエグゼクティブや政治家に対する印象管理トレーニングを提供してきた著者が、“見た目”を整える重要性とルールを解説している。
グローバルに活躍するビジネスマンが相手の外見に見いだそうとしているのは、単なるファッションセンスや顔かたちの美しさではない。外見をストイックに管理する能力は、ビジネスにも通じると考えているのだ。
例えば、大雨が降っているのに雨に強くない高級な革靴を履いている人を見れば、天気予報をチェックしなかったのかと感じる。これは、先を見越して準備する「段取り力」の低さにも通じる。爪や髪の清潔感がおろそかになっている人は、相手がどう感じるかという「察する力」が鈍いと言わざるを得ないというわけだ。
身だしなみを整えている日本人でも、つい見落としがちなのが「フケ」だ。仕立ての良さそうなスーツの肩に、フケをのせている人は少なくない。フケは加齢やストレスなどから発生することもあり、「自分は不健康だ」とアピールしているようなもの。頭皮保湿ローションでケアしたり、美容院でヘッドスパを受けて頭皮の健康を取り戻す努力が必要だ。
本書では、爪の手入れからスーツ選び、そして笑顔のつくり方まで細かく伝授している。新人、ベテランにかかわらず、ビジネスマンは必読だ。