「2049 日本がEUに加盟する日」高城剛著
「えっ、日本がEUに加盟?」タイトルからしてぶっ飛んでいるのだが、読み始めると衝撃的な話のオンパレードでページをめくる手が止まらなくなった。たとえば、地球は温暖化しているのではなく寒冷化に向かっており、やがて氷河期の小型版「小氷期」が訪れるのだとか。これまで知らされてきた事実とは真逆の説に戸惑う一方で、理路整然とつづられたその根拠に関する記述を読むと、なるほどと納得もさせられる。
もうだいぶ前のことだが、高城さんがやられていたFMラジオ番組にゲスト出演したことがある。お互い旅人という共通点もあって世界一周の話で盛り上がったのだが、その破天荒な生きざまからは想像できないほど、物腰が柔らかい印象を受けた。本書でも世界各地にキーパーソンとなる人物を訪ねていって直接話を聞くなど、丁寧に取材を行った上で執筆されているところから、氏の実直な人間性が垣間見られる。
本書はジャンルとしては「未来予測本」といえる。描かれている人類の未来像は信じ難い内容ばかりだ。人間の脳がクラウドと接続され、言葉を介さなくてもテレパシーで意思を伝え合えるようになる。肉体を失っても、自分の思考をアンドロイドにリンクすれば「不死」を得られる。地球の外、火星などへ移住することで人類をバックアップする、などなど。