「世界のすごいお葬式」ケイトリン・ドーティ著 池田真紀子訳
ニューヨークやパリといった欧米の大都市の市民は、「死」と口にしただけで「唇をやけどする」が、メキシコ人は死と親しく交際する。メキシコ中部のグアナファトにはミイラ博物館がある。19世紀末には、公営墓地に埋葬されている死体に墓税がかけられていたが、税を徴収できなくなると、埋葬した死体を掘り返して新しい死者を埋葬する。死体は土壌の化学成分と気候の相乗効果でミイラになっているため、状態の良くないものは火葬し、状態のいいミイラは博物館に展示する。この博物館を訪れた作家のレイ・ブラッドベリは、何度も悪夢を見たという。
アメリカ、インドネシア、スペインなど、さまざまな国の死者の葬り方を紹介する。
(新潮社 1700円+税)