「人生を変える夜はちみつダイエット」田井祐爾著

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 食事制限をしても運動をしても体重が減らない。そんな人に本書がお勧めするのが、就寝前に大さじ1杯の甘いはちみつをなめること。ダイエットの常識からは考えられないことだが、これによって寝ている間に体脂肪がどんどん消費されていくのだという。

 その秘密は、寝ると分泌される成長ホルモンにある。子どもの成長を促すことで知られるホルモンだが、大人でも分泌され、傷ついた皮膚や骨、筋肉などの組織を修復する作業に携わる。そして、この作業のエネルギーとなるのが、体内に蓄えられている脂肪。つまり、寝ている間に成長ホルモンをしっかりと分泌することができれば、痩せやすくなるというわけなのだ。

 ただし、成長ホルモンを分泌するために働く脳に、十分なエネルギーを補充しておく必要がある。寝ているときの脳には、肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲンがブドウ糖に分解されて届けられている。ところが、低炭水化物ダイエットなどでグリコーゲンが枯渇していると、脳のエネルギーも不足して成長ホルモンの分泌が阻害される。逆に、糖質を取り過ぎている人でも、高血糖により成長ホルモンの分泌が抑制されてしまう。ダイエットには、糖質を取り過ぎても取らなさすぎてもよくないのだ。

 精製された糖の場合、血糖値が急上昇してインスリンの過剰分泌が起こり、脂肪の増加を招く。しかし、はちみつは血糖値の上昇が緩やかであり、睡眠中のインスリン分泌を一定に保ちながら脳にエネルギーとして供給され、成長ホルモンの分泌を促してくれる。本書では、はちみつ選びのポイントや効率的な取り方も紹介。無理せず痩せたいなら、“夜はちみつ”を始めてみては。

(わかさ出版 1300円+税)

【連載】長生きする読書術

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