「触れることの科学」デイヴィッド・J・リンデン著、岩坂彰訳

公開日: 更新日:

 人は、視覚や聴覚を失った世界は容易に想像することができるが、触覚を失った状態は想像しにくい。五感の中でも最も根源的な、そんな触覚の不思議を解説してくれるサイエンスエッセー。

 コーヒーのホットとアイスによって異なるなど、そのとき、たまたま手に触れていたものが、未知の人物の評価に影響を及ぼす実験例などを紹介しながら、皮膚から神経、脳に至る触感の回路が複雑で奇妙なシステムであることを解き明かしていく。 1秒間に3~10センチの速さで肌をなでられたときに強く興奮するという「なでられて心地よい」という感覚のための専用の神経線維「C触覚線維」や、オーガズムの仕組みから、痛みやかゆみまで。精巧で不思議な触覚のシステムに感嘆。

(河出書房新社 880円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  4. 4

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  5. 5

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ

  3. 8

    モー娘。「裏アカ」内紛劇でアイドルビジネスの限界露呈か…デジタルネイティブ世代を管理する難しさ

  4. 9

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  5. 10

    小松菜奈&見上愛「区別がつかない説」についに終止符!2人の違いは鼻ピアスだった