「隠された奴隷制」植村邦彦著

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「資本論」で賃金労働者は奴隷とは違うと説いたカール・マルクスは、一方でヨーロッパにおける賃金労働者の「隠された奴隷制」は、アメリカの奴隷制を踏み台にして立ち上がっていると述べ、資本主義は奴隷制を必要としているとも論じている。「隠された奴隷制」とはなにか。それは、労働者がたとえ主観的に「自由」だと思い込んでいるとしても、客観的には「奴隷」にほかならないということだと著者はいう。

 本書は、ロックやスミス、ヘーゲル、そしてマルクスまで、奴隷制と政治的自由について論じた啓蒙思想家たちの思索の成果を改めて見渡しながら、資本主義と奴隷制について考察するとともに、この隠された奴隷制から逃れるためにはどうすればよいかを論じる。

(集英社 880円+税)

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