「世界史を『移民』で読み解く」 玉木俊明著
移民は、現代社会だけの問題ではなく、人類の歴史を通して見られた普遍的な現象であると著者は説く。歴史上、戦争や迫害、奴隷となったために移民となることを余儀なくされた人たちもいる。
移民は、移住した先で技術や文化などを伝え、社会の変貌に貢献してきた。世界史とは、こうした移民が築き上げたものの集積だといっても過言ではないという。
そんな人々の移動を通して、世界史を読み解いた歴史テキスト。
ホモサピエンスによる2回の「出アフリカ」によって生まれた6大文明に始まり、ムスリム商人やバイキングなど、移動する人々=移民という観点から世界史を俯瞰し、文明がつくられ、世界がひとつに結びついていった過程をたどる。
(NHK出版 780円+税)