「ブルース・リー 李小龍の栄光と孤独」四方田犬彦著

公開日: 更新日:

 1970年代、世界を席巻した香港功夫(クンフー)映画の大スター、ブルース・リー(中国名李小龍)。彼が全世界に与えた衝撃は計り知れず、ハリウッドのアクション映画は彼の登場以前と以後では「アクションの文体が一転」したともいわれている。

 その影響は映画だけにとどまらず、社会的・文化的次元にまで波及。彼が体現した道徳性に満ち、禁欲的な中国人像は、アメリカにおいて、アジア系のみならず、移民の象徴的な存在となり「人種的マイノリティーの抵抗と団結を語る」さいにしばしば援用されることになったという。

 本書は、その32年の短い生涯をふりかえり、知られざる子役時代に出演した映画や、アメリカでの修業時代、功夫哲学まで論じる映画テキスト。

(筑摩書房 1000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出