元FBI捜査官がしぐさから分かる心理を丸裸に

公開日: 更新日:

 何かをじっくりと考えてストレスを感じているとき、耳たぶを引っ張ったり揉んだりすると気持ちを落ち着かせる作用があるという。もしもあなたの話し相手が無意識に耳たぶをいじっていたら、軽い会話を楽しんでいるというより、話すべき選択肢をじっくりと吟味している可能性が高いということになる。

 このような体の各部位ごとのしぐさから分かる心理を紹介しているのが、ジョー・ナヴァロ著「『しぐさ』の実践解読辞典407」(西田美緒子訳 河出書房新社 1800円+税)。著者は25年にわたりFBI捜査官を務め、スパイ防止活動を行ってきた人物で、何千時間分もの監視ビデオから行動分析を行ってきた実績を持つ。

 唇を噛んだり触って引っ張るようなしぐさは、恐怖や心配事、自信のなさなどのストレスに直面している人に多く見られる“なだめ行動”だ。これは、幼児による親指しゃぶりに通じるストレス解消法。大人になって親指をしゃぶる姿は社会的に受け入れられないため、代わりに唇を噛んだり引っ張ったりして刺激を与えているのだという。

 後頭部の髪を直すなど、脇の下を含む腕の内側を見せるしぐさは、くつろいでいる場合にのみ表れる。とくに女性の場合、快く思っている男性にしかこのしぐさを見せない。その証拠に、もし腕の内側を見せている場面で不快な男性が近づいてきたら、すぐに腕を下ろしてしまうそうだ。

 しぐさは人種によって違いがありそうだが、快適か不快かの指標になる多くの行動は、脳の辺縁系と呼ばれる情動領域から生まれるため、大きな違いはないという。頭から足まで、407のしぐさを列挙する本書。職場や家庭での人間観察にも役立ちそうだ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭