「孤絶」読売新聞社会部著
東京の下町にある「ごみ屋敷」で、71歳の男性が死んでいるのが発見された。約3週間前に病死したとみられる。30年ほど前に同居していた母親が死亡した後、相続などで他のきょうだいと対立して疎遠になったため、誰も近況を知らなかった。町内会長や保健師など心配してくれる人はいたが、本人が介護サービスなどの支援を拒んだ。
こういう「ごみ屋敷」の住人は認知機能低下や精神疾患などにより生活能力や意欲を喪失した「セルフネグレクト」に陥っていることが多い。ニッセイ基礎研究所の調査では、孤立死の約8割が「セルフネグレクト」だった。
ほかに介護殺人、幼児の虐待死など、社会から孤立した家族に起きた悲劇を掘り起こしたリポート。
(中央公論新社 1600円+税)