「データで読み解く『生涯独身』社会」天野馨南子著
国勢調査のデータによると、日本では1990年以降、50歳で一度も結婚経験のない人の割合を示す「生涯未婚率」が急上昇。直近のデータでは、男性の4人に1人、女性は7人に1人が50歳で婚歴がなかった。本書は、さまざまな定量データを用いて、婚歴がない男女、特に男性が急増している日本社会のリアルな姿を伝えつつ、その背景にある「結婚希望者の壁」の存在を示すリポートである。
「長期不況による雇用の悪化」「高学歴化した女性による男性のえり好み」など、未婚率上昇の理由として挙げられる世間の思い込みをデータで払拭しながら、真の結婚の壁となっているのは何かを解き明かす。さらに過干渉親の存在が未婚化を加速させている現実も指摘しながら、「生涯独身」社会の現実に迫る。
(宝島社 800円+税)