「分断の時代」岡部直明著
同じ第2次大戦敗戦国なのに、日本はドイツに経済、外交、国際的な存在感で大差をつけられている。ドイツがフランスとの和解を土台にEUでリーダーシップを発揮しているのに、日本はいまだに中国、韓国と融和できないため、アジアで経済や外交面の基盤を固められない。北朝鮮危機の打開についても、国際政治力学を読み違えている。
北朝鮮が交渉相手と想定しているのはアメリカと中国なのに、安倍首相はアメリカだけを頼りにしている。
朝鮮半島の「非核化」を目指すには、日本が被爆国として核兵器禁止条約に参加し、米中ロなどの核保有国に核軍縮を求めるしかない。
新聞記者として欧米を見てきた著者が、新冷戦時代の世界を読み解く。
(日経BP 1600円+税)