「最悪の将軍」朝井まかて著

公開日: 更新日:

 延宝8(1680)年5月、館林藩主・綱吉は江戸城での詮議に呼び出される。

 議題は病に伏す将軍・家綱の世継ぎ問題だった。大老・酒井の意向で見舞いもままならぬ綱吉には、兄である家綱の病状も分からない。自らは天下を望まぬ綱吉は、亡くなった三兄・綱重の嫡男・綱豊こそが将軍後嗣にふさわしいと考えていた。

 しかし、酒井は、綱豊に後継ぎが生まれるまでの中継ぎ将軍として、朝廷から親王を迎えると言い出す。

 徳川家の権威が落ち、再び戦国の世へ逆戻りすることを恐れた綱吉は、兄の真意を知りたい。その時、新参老中の堀田が家綱直筆の証文を掲げ、綱吉こそが上意であると宣言する。

 犬公方として悪名高い5代将軍・綱吉の知られざる生涯を描く歴史小説。

(集英社 700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動