「明治大学ラグビー部、復活への軌跡」永田洋光著
2019年、明治大学は天理大学を破り13回目の優勝を遂げた。それは22年ぶりの優勝だった。1999年度から2016年度まで、名門、明治大学は18シーズン連続で決勝まで進めなかったのだ。明大ラグビー部の部是は「前へ」であり、「前へ、復活」という見出しが新聞の紙面を飾った。
だが、この勝利は90年代のように相手チームからスクラムトライを奪ったわけではなく、トライのすべてが15人の力を総合して奪ったものだった。これは、監督やコーチの意図とズレが生じていたのが修復され、意思決定システムが時代に合うようにアレンジされた結果ではないかと、著者は仮説を立てた。
明大ラグビー部を復活させた田中監督の挑戦を描く。
(洋泉社 1400円+税)