「イラスト図解 オリンピック競技おもしろ大全」雑学総研著
新型コロナウイルスの蔓延で開催が危ぶまれている東京五輪。数あるスポーツイベントの中でもオリンピックは別格、まして自国開催となると、普段スポーツに関心がない人でも無関心ではいられないはず。
期せずして、私たちは昨年のラグビーワールドカップで、それまで縁のなかった種目でも、「にわかファン」でも、我を忘れるほど夢中になれることを知ってしまった。
とはいっても、開催日が長期に及ぶワールドカップと異なり、オリンピック・パラリンピックは短期決戦。前者は17日間の間に全33競技(339種目)、後者は12日間で全22競技(539種目)が行われる。
その全55競技の基本と見どころを解説してくれる本書は、いわばオリ・パラ観戦のための格好のアンチョコだ。
例えば今大会から採用される「スケートボード」。オリンピックでは、街中のようなコースでトリック(技)を披露する「ストリート」と、くぼ地状のコースで空中へ高く飛び出すエア・トリックなどを競う「パーク」の2種目に分かれている。
ストリートでは、ベンチや階段などを模した障害物(セクション)をスケートボードのデッキ(板)を使ってどのように滑るかが採点のポイントとなるそうだ。
同じく新競技の「スポーツクライミング」や「サーフィン」をはじめ、ウエートリフティングの「スナッチ」と「クリーン&ジャーク」の違いなど、お馴染みの競技でも知っているようで知らなかったルールを再確認できる。
さらにパラリンピックも陸上の細かなクラス分けの見方に始まり、「ボッチャ」やクラス分けがない「ゴールボール」など、ルールの解説から見どころや競技に関するウンチクまで網羅されている。
これさえ手元にあればオリ・パラが100倍楽しめること間違いなし。果たして開催は……。
(KADOKAWA 1400円+税)