<1>彼女との会話は束の間の彩り
【ソウタ】
ソウタは財布の中身を漁っている女性をチラリと見た。
「やっと見つかった。はい残り六円」
彼女はソウタの差し出した掌の上にそっと一円玉と五円玉をそれぞれ一枚ずつ置いた。彼女の指がわずかに触れるだけでソウタの心臓は飛び跳ねそうになる。
「小銭が…
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