「迷子のままで」天童荒太著

公開日: 更新日:

 宅配のドライバーだった勇輔は、配達先のシングルマザー奈桜と結婚した。奈桜の息子、晴真が熱を出したとき、タクシーがつかまらなくて困っているのを見かねて、クリニックまで送ったことがきっかけだった。

 ところが、それまではなついていた晴真が、一緒に暮らし始めるとよそよそしくなった。

 デパートで晴真を見ていてと頼まれたのに目を離したのを奈桜になじられ、もう無理かもしれないと勇輔が思い始めた頃、高校時代の親友から電話があり、「おまえの子どもが殺された」と。最初の結婚でもうけた息子、達海が、母と再婚した男に殺されたのだ。(表題作)

「親」になれない男の揺れ動く心を描いた作品ほか1編の短編集。

(新潮社 1250円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…