「砂戦争」石弘之著

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 都市を構成するコンクリートの7割は砂でできている。電子機器に使われる半導体の原料も砂の石英だ。都市生活は砂がなくては成り立たない。世界での砂の使用量は、過去20年で5倍の年間500億トン前後にも上る。

 一方で、過剰な採掘で世界の主要河川では砂資源が枯渇しつつある。砂は重要な資源であるにもかかわらず、採掘や使用、取引を規制する国際条約は存在しない。砂の乱掘によって世界各地で生態系が破壊され、砂不足による違法取引がはびこり、砂マフィアまで登場。砂の保護を訴える地元住民や活動家、政府関係者などが過去10年で数百人も殺害されている。日本も例外ではなく、砂浜が急速に姿を消しつつある。

 枯渇寸前のそんな砂資源の知られざる現実を警告したリポート。

(KADOKAWA 900円+税)

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