なぜ?昨年オープンし話題の京橋図書館「本の森ちゅうおう」に区民からの抗議殺到
京橋図書館に郷土資料館やカフェを併設して、昨年オープンし話題の「本の森ちゅうおう」(東京都中央区)に区民からの抗議が殺到している。
住民でつくる「中央区立図書館のありかたを考える会」は3月26日、「あと数日で、地域資料室を支えてきた司書さんたちが雇い止めになります。ずっと繋いできた知識が途切れます。悔しいです」とツイッターに投稿。2.1万件の「いいね」と区の運営に対する反感の声が寄せられた。
今、図書館で何が起こっているのか。
「区がコスト削減のために施設の運営を民間事業者に委託したんです。新しくレファレンスを担当している学芸員は、残念ながら地域資料の価値を分かっておらず、区立図書館にしかない16ミリテープを処分してしまったんです」(前出の会関係者)
京橋図書館は1911年に開館した。東京大空襲で多くの図書館が戦火に巻き込まれたなか、京橋図書館は被害を免れ、2万6000冊にものぼる戦前図書を残している。
「クビになった司書さんたちは20年以上のベテランです。昭和20年代からの新聞広告を段ボール10箱以上で保管するような人たちでした。経費削減で文化と歴史を失っては図書館の存在意義がありません」
民間企業やNPO法人に図書館の運営を任せる指定管理者制度によるトラブルは他にもある。(つづく)