1961年、岐阜県生まれ。2009年「さよならドビュッシー」で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。本作は「切り裂きジャックの告白」「七色の毒」「ハーメルンの誘拐魔」「ドクター・デスの遺産」「カインの傲慢 」に続く、シリーズ第6弾。
<95> <幸福な死>サイトにメールを送信
延命治療を中断すると副作用は薄らいだものの、以前にも増して肉体が悲鳴を上げ続けた。がんが他の臓器に転移し内部から蝕んでいたのだ。末期にもなれば己の余命がどれほどのものかは見当がつく。伊智山は執筆を進めながら、脱稿するのが先か自分の寿命が尽きるのが先かと気が気ではなかった。
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