「ヨーロッパの都市伝説」片野優、須貝典子著
歴史と伝統が脈打つヨーロッパは、怪奇譚や都市伝説の宝庫。その中から13話を選び、その真相に迫る面白読み物。
1933年、ブダペストのパブで生まれた曲「暗い日曜日」は、自殺ソングと呼ばれる。レコーディングされるとすぐに人気が出たが、ラジオ局のディレクターをはじめ、少女や官僚など自殺者が相次ぎ、遺体の傍らには楽譜やレコードがあったという。その数、同国だけで157人、世界で数百人にのぼり、当局はラジオで流すことを禁じる事態に。曲が生まれた背景や、歌詞の分析、そして作曲者の人生まで追いながら、同曲と自殺の関係を読み解いていく。
その他、大勢の処女を殺害したといわれる「血の伯爵夫人」など、現地での取材を交え、都市伝説の謎を解き明かす。
(祥伝社 940円+税)