「真っ白な嘘」フレドリック・ブラウン著 越前敏弥訳
出会いから1カ月で結婚したダークとジニーは、新居を探す。2人の希望をかなえ、おまけに値段も破格の家が見つかったが、仲介業者によると実は2、3カ月前に起きた「愛の巣殺人事件」の現場となった家だという。夫が金持ちの妻を殺し、苛性ソーダで溶かそうとしたらしい。不審を抱いた妻の友人の通報で、かけらとなった妻が見つかり、夫は逃走中だという。
それでも2人は家を購入して住み始める。ジニーは、隣人から殺された妻が持っていた金がまだ見つかっていないと聞く。ジニーは逃走した犯人が金を探しに現場に戻ってくるのではないかと恐怖が募る。それにダークが隣人の名前を知っていたことも気になる。
新訳で装いも新たになったショートショートの巨匠による短編集。
(東京創元社 1100円)