「『低度』外国人材」安田峰俊著
昨年4月14日、群馬県の玉村町で、ベトナム人フイが車にはねられた。フイは不法滞在者で、新型コロナウイルスに感染していた。日本政府はアジアから「高度外国人材」を受け入れているが、実際にやって来る技能実習生はフイのような「高度な能力や技術」を持たない人たちだ。
彼らは低賃金の雇用先から失踪し、高賃金の建設現場で働く。低賃金では来日するために借りた金の返済や家族への仕送りができないからだ。彼らは自分たちを「ボドイ(兵士)」と称する。そこには、日本の官憲や入管職員と戦うという意味が含まれている。
日本社会が依存している「低度」外国人材の生身の姿に迫るルポルタージュ。
(KADOKAWA 1980円)